リフォームのはなし2

2. 全面リフォームのはなし。
建物が老朽化して、耐久性や安全上に問題が生じた場合、
外装や内装の傷みが進んだ場合、
住宅設備の老朽化がある場合、
ライフスタイルや、家族の構成が変わった場合に、
住宅の建替え(新築)や、リフォーム(改修)を考えますが、
建替え(新築)ではなく、
「建物全体をリフォーム(改修)」を選択する場合の主な理由としては、

①現在の建物に愛着・価値があり、建物・空間の雰囲気を残したい。
 →建築家としては、とても魅力的な仕事です。
  建築家の仕事は、常に新しい建物を設計するだけではあり  ません。
  既存の建物から、いろいろな条件を読み取り、新しい提案  をしながら、より魅力的な建物にし、
  さらに残って行く建築に再生することは、有意義でやりが  いのある仕事です。

②工事費を抑えるため
 →一般的に新築より工事費が安く抑えられると考えられ、
  建替えよりもリフォームを選択される場合がありますが、
  改修の内容によっては、解体における人件費や、発生する  建築廃材の処理費がかなりかかり、
  新築工事と同じ位の費用がかかる場合も考えられます。
  まずは、建築家に、予算を提示して、予算内で出来る工事  の内容を検討することが大切です。
  
 いずれの場合も、建物全体のリフォームをする場合、
現在の建物の状態を、建築家と共に、しっかりと把握することが大切です。
 その場合、表面上の状態よりも、隠されている部分(主に構造)の状態を確認し、現況の建物を生かす事が、安全なのかどうかを検討することが肝心です。
 地盤の状態も重要なポイントです。建物が堅固でも、地盤の状態が悪ければ、地盤を改良したり、その地盤にあった基礎工事が必要となってくるからです。

適切な「リフォーム」とは、

これからのライフスタイルを考えた間取り・空間を考え、
時代やライフスタイルにあった住宅設備を取り入れることで、
より良い居住環境を実現し、
さらに、建物の安全性を向上させることで、

「快適で安心な時間をすごすことの出来る住宅への再生」
と考えます。confident

リフォームのはなし1

住宅のリフォームは、その目的によって、リフォームの規模や内容が異なり、新築と違って既存の建物を生かす分、新築以上に慎重に考える必要があります。
規模や内容によって、大きくいくつかのパターンがあります。

1.小規模なリフォームのはなし。
最近、設計したリフォームの話から。
10年程前に設計した住宅で、一部屋を二部屋に分けるリフォームをしました。
新築当時は、お子さんがまだ小さくて、子供部屋は大きく広々とした遊ぶ部屋として一部屋で計画しました。
その際、いずれ二部屋に分割する事を前提に設計し、ドアの位置、窓の位置、照明器具の配置、コンセント・スイッチの配置、家具の配置も二部屋を想定して設計しました。
それにより、今回のリフォームは最低限の工事で済みました。
間仕切りの壁を一枚建てて、ドアを2カ所設置し、
学齢期を迎えて、増えた物を収納するスペースを勾配天井の高い部分に設置しました。
当然、工期も短く費用も抑える事ができました。

建物の耐用年数とは、実際の建物の強度だけでなく、
10年後、20年後、30年後に、家族の形態の変化や生活環境の変化に対応出来るように設計されているかどうかで決まります。

住宅の新築時に、リフォームを前提にした設計をすることは、とても「 エコ 」なのです。

窓のはなし4

sun北向きの窓sun
窓の役割は、大きく3つあります。
太陽の光を取り入れる、風を通す、そして、「外を眺める」。
建物の廻りの環境をより生かすために、景色を窓で切り取るように造ると、それはひとつの絵画のように、空間に豊かさをプラスします。
窓といえば、太陽の光をより多く取り入れ明るさを求めるため、南向きの窓にばかりに意識がいきますが、
実は、景色を眺めるのに、もっとも美しい景色を見る事が出来るのは、「北向きの窓」なんです。
北向きの窓から見える景色は、太陽の光を浴びて明るい景色になります。山の緑や紅葉は色も冴えてとても鮮やかです。
そして、北向きの窓から入る明るさは、直射日光でないので、とても柔らかく穏やかです。
絵を描くアトリエは北向きの窓を大きくします。それは、絵を描くのに最適な明るさが期待できるからです。

住宅で北向きの窓を大きくすると、窓はガラスが入るため壁に比べて熱の損失が大きいので冬場の暖房効率が悪くなりますが、
窓ガラスの断熱仕様を上げ欠点を補い、景色を見るために適切な大きさを考え、
積極的に景色を眺める窓を造ることで、その空間を豊かにします。

窓のはなし3

sun西向きの窓sun
窓から眺める夕焼け、日没。本当に美しい景色です。
でも、夏の西日は、とっても暑い!

私が子供の頃過ごした、海を望む高台に建つ家でのことです。
夏、学校帰り、山の下にある電車の駅から急な坂を登って、
汗びっしょりで家に着き、トイレに駆け込むと、
そこは「灼熱のトイレ」!coldsweats02
西向きの窓があるトイレは、暑くて眩しくて、とても座ってられません。
子供の頃でしたから、ちょっと恥ずかしい事ですが、ドアは開けっ放しで入りました。
常に「うちわ」も置いてありました。
大人は大変だったと思います。

窓は、幅60㎝高さ40㎝くらいの小さなものでしたが、差し込む夏の西日は強烈でした。
外には日除けの木を植えましたが、大きく育つまで、しばらく我慢の夏が続きました。

以前に設計した住宅での事ですが、そこは南と西の道路に面した敷地で、
西道路に面した2階のダイニングと1階の寝室には、それぞれ細長い窓を2本だけ開けました。
住まい手は、もうちょっと大きい窓を希望されましたが、夏の西日の強さを説明しました。
竣工後、この窓の大きさで十分だったとおっしゃっていただけました。

西向きの窓を造るとき、夏の日除けを合わせてデザインすることが大切ですね。good

窓のはなし2

sun東向きの窓sun
朝の太陽の光が燦々と入る、明るいキッチンで朝食の支度。
イメージはとてもいいのですが、実際は、夏場の朝日が入るキッチンは、とっても暑い。coldsweats02

私が子供の頃過ごした、海を望む高台に建つ家でのことです。
朝、東に面した明るいキッチンで、私の母は、麦わら帽子をかぶって立っていました。
窓から風は入って来ても、強烈な朝日を遮るものはなく、
大きな麦わら帽子をかぶって朝食の支度をしていたのです。

そこに引っ越してくる前に住んでいた家のキッチンは北にあり
古い日本家屋だったこともあって、暗くて、寒くて、
冬場は、どおしようもなく辛かったらしく、その反動もあって、新しく建てた家のキッチンは、東にあって、窓を大きくしたそうです。
結果、明るすぎて、暑すぎて、夏は、麦わら帽子着用が必須。

その後何年かして、山に囲まれた谷戸の中に家を建てて引っ越し、
その家のキッチンは、一部東に面していて、その壁面にガラスの扉がある程度で、あとの壁面には窓ひとつない、暗くて寒いキッチンにしました。
でも、古い日本家屋のように、隙間風があるわけでもないので
冬場の寒さはそれほど気になるわけでもなく、
夏は、ひんやりしていて、風も通って、快適です。
さらに、日当りの悪いきっちんは、食べ物も腐りにくくていいというメリットも有りです。

冬は有り難い朝日も、夏は強敵。
東の窓を開ける部屋は、部屋の用途も窓の大きさもよく考えましょう。

窓のはなし1

窓を設計、デザインする時、窓の大きさや位置、開閉方法の
種類などを検討する時は、その建物、その部屋のさまざまな
条件を考慮してデザインします。

建主の方が、「大きな窓が欲しい。」ということを要望される
ことがよくあります。
お話をよく聞いてみると、それまでに住んだ住宅の経験から、
暗くて昼間も照明を付けていた、日当りが悪くて冬の寒さがこ
たえた、空間が閉鎖的で開放感が欲しい、とかいろいろな理由
があります。
これらの問題に対して、窓を大きくすれば解決するかというと
それだけで解決できないこともあり、また、窓を大きくした事
窓を開けた事で、他の問題が生まれる事もあります。

窓による利点には、
①日が入る→
 ・明るい。
 ・冬は暖かい。
②風が入る→
 ・涼しい。
 ・換気ができる。
③ガラスを使用する→
 ・開放感がある。
 ・景色が見える。

反面、窓による欠点は、
①日が入る→
 ・明る過ぎると落ち着かない。
 ・夏は暑い。
 ・日に当たった家具や、室内の仕上げ等が傷む。
②ガラスを使用する→
 ・外から室内が見える
 ・ガラスは割られるので防犯上問題がある。
 ・壁に比べて断熱効果が低いので冷暖房の効きが悪い。
 ・壁に比べて遮音効果が低いので、外の音が多く入り、
  室内の音も外にもれる。

実は、窓というのは、利点よりも欠点が多いのです。
窓を設計する際には、その部屋その場所に必要か不要かをまず
考え、明確に必要である理由があれば、それに対して、適切な
解決方法が提示できる窓である事が重要になってきます。

窓があるけど、隣の家が迫っていて、雨戸が締まりっぱなし、
なんて建物を街でよく見かけます。
自分の家を考える時、自分の敷地の境界線の廻りには、必ず
いろいろな条件が存在することを忘れてはいけないですよね。

窓は、ガラスという素材を使用するため、機能面では、欠点が
多いのですが、
空間をデザインする上では、ガラスは重要な素材となります。
窓を設計することは、豊かな空間をデザインすることを可能に
します。

借景

仕事場の窓から、隣家の庭が見えます。
春は桜が咲いて、夏は深い緑の木々の間を風が渡ってきます。
仕事場は1階で、日当りは良くないのですが、
隣家の庭や、瓦屋根が見える景色が心地良くて、
仕事の合間に眺める窓からの景色は、季節と時間を感じさせてくれました。
でも、残念な事に、隣家も庭も取り壊される事になりました。
大きな桜の木も切られてしまいます。
なんだか、とても切ない気持ちで一杯です。

建築の設計の仕事は、古い家を壊して、新しい家を建てるお仕事もあります。
そんな時、庭の木々を出来るだけ残したいといつも思います。
敷地の条件などで、庭の木々を思うように残せない事が多いのですが、
なんとか残して、木々を生かす事が出来た時は、特別な思いが生まれます。
新しい家と共に、生き残った木々が、さらに住まい手と共に歴史を重ねて行き、
時には、昔の風景を思い出させてくれます。

失われるものの大切さを、改めて思います。

雨の行き先

この夏、恵や癒しであったりする雨が、
時には、人の生活を破壊するものだと言う事を、改めて感じました。

私が子供の頃、住宅地では、舗装されていない道路も多く、
ブロックやフェンスではなく、生け垣が続き、
木々が茂る庭を持つ家が多くありました。

今の住宅地は、どこもかしこもアスファルト舗装になり、
大きな家が取り壊されたあとは、いくつにも分割され、
庭も無く、木々も無く、垣根もない。
土が無くなってしまいました。

雨が降ると、雨は染込む先もなく、アスファルトの道を流れて、下水に流れ込み、
下水から溢れた雨水は道を川となって流れ、
庭もなく、土に囲まれていない家の中に流れ込んで行きます。

一つ一つの家で出来る事、それは、雨の行き先を考えること。
小さくてもいいから土の庭を作って、木を植えませんか?
フェンスやブロックではなく、生け垣の良さを見直してみませんか?
ガレージはコンクリートの床ではなくて、ちょっと歩きづらいけど、
透水ブロックを敷いたり、歩く所だけ石を並べたり。

アスファルトやコンクリートの床が減っていけば、
夏の暑さも、少し和らぐかもしれませんね。

左官の仕事

玄関の床の仕上げは、ここのところ、磁器タイルを貼ることが多かったのですが、
久しぶりに、左官工事で、洗い出し仕上げにしました。

石は、大磯石を使いました。小粒の物を選んで、ところどころ大きめの石を混ぜてもらって、
なるべく単調にならないようにしました。
やっぱり、いいなあ、洗い出し!

最近では、石を樹脂で固めたような、洗い出し風の材料もあるのですが、
あまりに整い過ぎていて、面白さがないように思います。

やっぱり、職人さんによる手仕事は、いいですよね。happy01

今回は、白髪のパンチパーマの年配の職人さんが、施工してくれました。
「若いもんが育たねえから、年金もらう歳になっても、仕事やめられねえなあ。」
頼もしい!まだまだ、現場で頑張ってもらいたい!
作業しながらの話も、楽しくて、ずっと張り付いて見ていたいぐらいでした。Img_0888Img_0887

照明

昨今、家庭の消費電力を削減するために、エコのために、
多くの企業が、あれやこれやの商品開発をしていますが、
照明器具において、最近、建築家たちの心を悩ませているのは、白熱球の消滅。

あの暖かな、優しい光が、夜の住宅の風景から消えてしまうなんて。
確かに、蛍光灯に比べて、白熱灯は消費電力が多いのですが、
その暖かな光がもたらす精神的な恩恵は計り知れないと思うのです。

白熱球を悪者にする前に、住宅の照明計画を、もっと見直すべきかなと思います。
日本の住宅の場合、夜でも、部屋の照明に昼間並み明るさを求める傾向があります。

私の個人的な感覚ですが…
少し、明るすぎるかなと思います。
夜は夜らしく。
必要な所には、適切な明るさを。
明るくする場所を限定していけば、自然に家族はそこに集まってくる。(虫みたいだなあ)

夜なのに、部屋の隅々まで明るくて、隅のホコリまで、ばっちり見えちゃうなんて。(主婦にとっては痛い)

少ない照明器具であっても、暖かくて豊かな空間を作ることを考えたいですね。Img_0890_3

ライトダウン

昨日の七夕の夜、日本各地で、夜間の2時間消灯する、ライトダウンという試みがありました。
その2時間で、どれだけの消費電力量が削減出来たかということを、いろいろなメディアが伝えています。
相当数(何万戸)の住宅の1年分の消費電力量が削減できたとか。
一年にたった一日の試みではなくて、もっと定期的に行ったらいいのではないか、と大勢の人が思ったのではないでしょうか。

おとといの夜、新宿で、オープンデッキのお店で食事をしていた時に思いました。
「空が明るいなあ。夜なのに。」
地上の明るさが空の雲に反射して、空が明るいのです。
いきなりその場にワープしてきたら、そこが夜なんだってわからないくらい。
これこそ、無駄だなあと。夜は夜空でなくちゃ。
防犯の事もあって、真っ暗な街というわけにはいかないけれど、
せいぜい地上10mくらいまで、明るければいいのかも。
あんなに大きなネオンは必要?あんなに明るい電車のホームの照明は必要?
高速道路の照明灯は、半分でも、走るには十分では?
ライトダウンを機会に、街の中の照明についてもっと考えたいですね。

家庭で、電気を節約することも、もちろん大切なことですが、
もっと、どーんと電気の削減につながることが、街の中に溢れていると思うのです。

逗子の家

神奈川県逗子市に、敷地面積32坪、述べ床面積29坪弱の住宅が完成しました。
東と南の隣家が手が届く程に迫っている土地で、
日当りも悪く、地盤も悪く、湿気も多くて、
その上、旗竿形状の変形狭小敷地。
初めて敷地に立った時は、うーん、と唸ってしまいました。

でも、上を見上げれば、青い空。遠くには、緑の山。
そして、静かな住宅地。
そこに快適な家を建てる!
と決意して、1年。
居心地のいい、伸びやかな空間を実現しました。

南北に細長い建物の中を、風が心地よく通り、
限定的に見える空から、日の光が差して、
洗濯物を干しながら、遠くの山を眺め、
リビングのテーブルからは、家族の様子を感じる事ができる、
小さくても、愛おしい家が完成しました。
合格!goodKo_m01

植栽

来週、完成する住宅の現場に行ってきました。
今日は、植栽工事がありました。
32坪程で、かつ変形敷地だったため、
敷地の形が反映した29坪弱の変形住宅。
駐車スペースを除くと、建物の廻りに少しの空きがあるくらい。
東も南も、すぐそこに隣家が建っていて、
隣家からの視線も気になるし、すぐそばに見える隣家の外壁も気になるし。

そんな状況の中、建築で解決できないことを、
植栽が救ってくれました。
隣地まで70センチしかないところに植えた木は、
緑の目隠しスクリーンに。
南の小さなデッキの先に植えた木は、
2メートルしかない隣家の外壁までの距離を、さらに奥行きを感じさせ、
その木々の間を渡ってくる風は、ひんやりと心地よいものに。

風に揺れる木々の葉を見て、この家の設計に携われて、
ほんと、よかったなあ〜、とひとり、ジーンと感動しました。
どんな条件の敷地でも、いろいろな力を集めて難題を解決し、
住まいが出来上がっていくことを、実感しました。wink

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やっと!です。

私、今では、相当珍しい、建築家です。
何が珍しいって、それは、今まで、ホームページなるものを持たなかったのですから。
とにかく、パソコン音痴。図面をCADで描く事は、もちろん出来ますが、それ以外のパソコン操作からは、とにかく逃げてきました。
でも、いい加減、ホームページくらい作れ!という、みなさんの声に押され、重い腰(実際に重い)を上げて、強力な助っ人の多大なる援助により、やっと、ホームページを立ち上げることが出来ました。
http://www.kworks.info
このブログでは、設計のことやら、現場のことやら、あれやこれや、書いて行きます!